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認知症 独居支える機器

タイマー付き薬入れ、しゃべる人形、探し物発見器…


訪ねてきた家族の前で、薬入れから薬を取り出してみせる安藤キミさん(右) 早期診断技術の進歩などにより、一人暮らしの高齢者で、軽度の認知症と診断されるケースが増えている。そうした人たちの自立生活を支える福祉機器の研究・開発が進んでいる。(猪熊律子、写真も)
自信を取り戻す

 直径18センチの白い円盤状のケースに付いた赤い、小さなランプが点滅すると同時に、「トゥルトゥル……」という電子音が鳴り始めた。

 「こうしてひっくり返すと薬が出てくるの」。安藤キミさん(87)がケースを裏返してみせると、音と点滅が止まり、上ぶたの小さな穴から薬が1錠出てきた。

 秋田県内で一人で暮らすキミさんは、数年前から物忘れが目立ち、現在は認知症の薬を処方されている。以前は、定期的に訪れる家族が日めくりの横に薬をテープで張っていたが、飲み忘れも多かった。タイマー付きの薬入れを使うようになってからは、必ず自分で飲むようになったという。

 「社交的で自立心も強かっただけに、認知症となり、情けないとふさぎこむことも多かったのですが、機器のお陰で自信を取り戻したようです」と家族は話す。
いつも見守り

 独居を支える機器はほかにもある。見守りカメラもその一つ。台所と寝室に小型カメラが設置されており、家族はパソコンに随時送られてくる音声付きの動画で様子をうかがえる。人が来て財布が見つからないとパニックになっている時などは、電話をかける。

 監視されているようだという声もあるが、自宅で長く暮らしてもらうため。「一人きりで死んでいくのかしら」と言うキミさんに、「いつも見守っているからね」と答えているそうだ。



癒やしロボット、薬入れ、昼夜表示付きカレンダー、探し物発見器など、生活を支える機器のいろいろ 人恋しくなる時に備えて、居間には、定期的に言葉をしゃべる人形もある。携帯電話も、ボタンが大きいものを使っている。
80点を展示

 今が昼か夜かを確認できるよう、日付や曜日のほかに昼夜の別も表示した電子カレンダー、大事なものにあらかじめ付けておいて見つけやすくする「探し物発見器」、水の出しっ放しを防ぐ「蛇口コントロール」……。国立障害者リハビリテーションセンター研究所(埼玉県所沢市)に付属する「認知症のある人の福祉機器展示館」には、国内外の福祉機器約80点が展示されている。

 研究開発に携わる研究員の石渡利奈さんは、「ちょっとした支援があれば、施設に入らず、自宅で暮らせる人は多い。だが、実用化が進む欧米と違い、日本ではまだ手に入る機器が少ない。情報技術を駆使し、自立に役立つ製品を普及させたい」と話している。


 ◇展示館では、見学のほか、機器の貸し出しも行っている。申し込み・問い合わせ先 〒359・8555 埼玉県所沢市並木4の1 国立障害者リハビリテーションセンター研究所 (電)04・2995・3100(内線2522)。 研究開発に関するホームページ http://www.rehab.go.jp/ri/kaihatsu/dementia/topj.html
 ◇機器の詳細な情報を閲覧できるデータベース http://www.rehab.go.jp/ri/kaihatsu/lifeSupport/top_ja.php
(2009年3月31日 読売新聞)
認知症を患う女優の南田洋子さんが意識障害を起こして倒れる

認知症を患う女優の南田洋子さん(76)が意識障害を起こして倒れた。
所属事務所によると、南田さんは午後0時半ごろ、東京・世田谷区の自宅兼事務所の3階で、突然、意識障害を起こして倒れ、夫で俳優の長門裕之さんらに付き添われ、午後5時現在、病院で治療を受けている。
重症とみられている。
認知症:正しい理解を 丸亀のNPO法人が冊子を配布、地域の相談先を掲載 /香川

 丸亀市綾歌町岡田西、NPO法人転倒予防を考える会(寺岡啓明理事長)が、冊子「認知症に強いまちづくり」(A4判、41ページ)を2000部作成し、配布を始めた。地域の相談先を掲載すると同時に、正しい理解で認知症に強い町づくりをするのがねらい。【吉田卓矢】

 冊子作成を前に、寺岡理事長らは、市民1500人(回答1335人)と、市内の医師や民生委員、ケアマネジャー計267人(回答99人)にアンケートを実施。冊子では、地域のニーズや認知症への理解を調査した。約75%が「自分が分からなくなるから」などとして「怖い」と回答した認知症について、医師や介護経験者らが解説。早期発見や診断方法、いざという時に頼れる市内の専門医や支援団体、行政機関の支援内容や問い合わせ先もまとめた。

 同会は、丸亀市綾歌町と宇多津町の各保健センターで、寝たきり予防の転倒予防教室を開くなどしていたが、介護保険制度改正で国から助成が受けられなくなったため、07年4月、デイサービスを始めた。デイサービスを通して認知症患者とも接するようになり、寺岡理事長は「認知症対策は今後ますます重要になる」と実感。昨年5月、独立行政法人福祉医療機構「長寿・子育て・障害者基金」から助成を受け、医師や認知症介護者の支援団体代表ら4人で委員会を結成し、冊子を作成した。

 寺岡理事長は「認知症はしっかりとした理解が必要。その上で、家族や地域が支えていければ」と話している。同冊子の問い合わせは、同会(0877・86・1600)。
認知症患者の爪はがす、「ケア」主張退け元看護課長に有罪


 北九州市八幡東区の北九州八幡東病院で、入院中の認知症患者2人の爪計3枚をはがすなどし、それぞれ10日間のけがを負わせたとして、傷害罪に問われた同病院元看護課長・上田里美被告(42)の判決が30日、福岡地裁小倉支部であった。


 田口直樹裁判長は「痛みを避けるなど患者への配慮をせずに切った結果、出血という傷害を生じさせた。ケアでも看護行為でもなく、正当業務行為に該当しない」として、上田被告に懲役6月、執行猶予3年(求刑・懲役10月)の有罪を言い渡した。無罪を主張していた被告側は控訴する方針。

 判決によると、上田被告は2007年6月11日、当時89歳の女性患者の右足親指の爪を爪切り用具で4分の3から3分の2切った。同15日には当時70歳の女性患者の右足中指の爪をばんそうこうごとつまんで取り去り、右足親指の爪を爪切り用具で8割方切り、いずれも出血させた。

 田口裁判長は「出血が認められ、傷害に該当するのは明らか。看護行為ではなく、故意による傷害行為」と認定し、「ケアであることを忘れ、患者に無用の痛みと出血を伴わせた」などと正当業務行為に当たらないと判断した。動機については「爪切り行為自体に楽しみを覚え、目的としていた」と述べた。

 被告側は「爪切りは看護師が行うべきケアであり、正当業務行為」と主張していた。

 上田被告の行為を巡っては、北九州市が虐待と認定。一方、社団法人・日本看護協会は「虐待ではなく、経験に基づくケアの一環」とする見解を出していた。

(2009年3月30日14時50分 読売新聞)
サービス内容による介護予防効果「運動器の機能向上」――厚労省分析検討会議


厚生労働省は3月26日、「第6回介護予防継続的評価分析等検討会」を開催し、介護予防施策の有効性を評価する取りまとめ案を提示した。前回会議で提示された、年齢・性別、既往歴などの属性と運動器の機能向上サービスによる分析に加えて、栄養改善や口腔機能向上など、より細分化したプログラムの調査結果が示された。

■対象者
2007年〜2008年までに登録された継続的評価分析支援事業データベースの中から要介護認定の状況が把握できない人や106歳以上の人、サービス開始後3カ月以上経過してから調査を開始した人などを除いた9,105人を対象とした。

【属性・介護予防サービス利用と介護予防の推移との関連の分析について】
【運動器の機能向上】
●ふだんの過ごし方で役割のある者は改善しやすい。→ふだんの生活に役割を持たせることが重要
●基本チェックリスト得点が低い(生活機能の程度が高い)ほど改善しやすい。→生活機能の低下が少ない段階からの対応が重要
●認知的活動の得点が高い者(認知的活動が活発な者)は改善しやすい。→認知的活動を活発に行うことが重要
要支援者に対する介護予防通所介護(運動器の機能向上サービス)の実施者は改善しやすい。
●実施回数が一定の回数以上の場合で維持・改善しやすい。
●1回の実施時間が一定時間以上の場合で維持・改善しやすい。
●属性とサービスとの関係は、以下のとおりとなった。
対象者の属性に応じたサービスを提供することで、より効果的・効率的なサービスとなる可能性がある。
・脳血管疾患の既往がない者では、マシンによる筋カ増強訓練で維持・改善しやすい。
認知症の既往がない者では、日常生活動作に関わる訓練で維持・改善しやすい。
・認知機能が低下していない者では、マシンによらない筋カ増強訓練が維持・改善しやすい。
・認知的活動の得点が高い者(認知的活動が活発な者)では、日常生活動作に関する訓練およびレクリエーション・ゲームで維持・改善しやすい。
要支援者よりも特定高齢者の方が、すべての内容で維持・改善しやすい。


ケアマネジメント オンライン  2009年3月30日